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細胞 その1
講師:武松   生徒:魯智深


武松 よし、それじゃあ細胞の話を始めようか…って、アンタが聞き役かよ、和尚!?

魯智深 まぁ良いではないか、たまには。わしは読み書きができんが、それでも平気だよな?

武松 読み書きの出来ない人が良くこの仕事受けたなぁ…とにかく、始めよう。
和尚は「細胞」って言葉、聞いたことある?

魯智深 おぉよ。山賊やるからにはコイツを語れなきゃロマンがねぇだろ。

武松 …そりゃ財宝だ。

魯智深 じゃ候健の得意な奴か。

武松 そりゃ裁縫。

魯智深 細胞ですかぁーっ!細胞ですかぁーっ!

武松 あーっ、やめやめ!ここぞとばかりにボケ倒しやがって!
和尚よ、とりあえずここに出たからには「細胞」って言葉ぐらい覚えて帰ってくれよ。

魯智深 なんだよ、さっきから細胞細胞って…そんなに細胞が好きなら
細胞の家の子にでもなっちゃいなさい!

武松 キャラクター変えてまでボケんでいいっつーのに…
この細胞ってのは生物の生命活動、その全てを司るものなんだよ。
例えば呼吸、例えば消化、例えば生殖…何をするにもこの細胞がないと話にならん。和尚、アンタが酒を飲むのだって、 それをうまいと思うのだって細胞がなければできないんだぜ?

魯智深 そうか…ならばわしはこの辺で帰るかな。わしの身体の細胞が酒をくれとわめいておるわい。

武松 ダメだ。俺をさしおいて一人で酒飲もうなんて虫の良い話が通るわけないだろ。
酒が飲みたきゃここに持ってこさせるから、とりあえず続きをするぞ。

魯智深 高校生物の話を酒飲みながらすんのかよ、不謹慎だな、オマエは!

武松 アンタが自分の仕事放っぽり出して酒飲もうとしたんじゃねぇか!
えっと…どこまで話したかな…とにかく、すべての生物が細胞を持ち、生物だけがする事の出来る
生命活動は細胞一つ一つがしている、と。
細胞の数は生物によって違う。一個の細胞だけで活動する単細胞生物もいれば
多くの細胞が集まって出来ている多細胞生物もいる。
ところで和尚。俺達人間は多細胞生物なんだが、どのくらいの細胞が集まってると思う?

魯智深 単細胞ってのはアレだろ、池とか泳いでたりする無茶苦茶ちっちぇえ奴ぐらいの
大きさだな?あんなのが集まってんのかよ…あれが幾つあればわしのような巨体が出来るんだろうなぁ。

武松 …だから、今それを聞いてんだよ、アンタに!

魯智深 おぉ、そうであったな。だがわしは数字にも弱くてな。 禅丈の重さも百斤と注文して店のオヤジにあきれられたほどだ。

武松 じゃあ言ってもしょうがないか…でも一応言っておくと、
ヒトの体を作る体細胞は、およそ60兆個であるといわれているんだ。

魯智深 そりゃ凄いな。梁中書の賄賂六億年分か。

武松 うわっ!和尚が暗算したっ!

魯智深 驚き過ぎだぞ、武松。

武松 あ、怒った?まぁ賄賂とは単位が違うから比較はできんが、とにかく凄い数だという事だ。

魯智深 しかし、水の中をチョコマカと泳いでるような奴が何十兆と集まっておるのか。
わしの体なのに、よくよく見ると得体の知れない形をした細かい粒々なんだろう?不思議な気分だな。

武松 それが何十億年と続いてきた生命の神秘って奴だぜ。

魯智深 わしとしてはアレだな、ミクロサイズのわしが沢山集まって作られる、って感じの方が
わかりやすくて良い気がするな。わしの手も足も、どんなに細かく見ても小さいわしが微笑んでおるのだ。

武松 怖いだろ、そんなの!

魯智深  便利だろ、顕微鏡で観察するまでもない、どんなに倍率を上げてもわしの顔だ。

武松 顕微鏡発明した人が泣くぞ、そんな理屈!

魯智深 いや、顕微鏡は実験以外の場所で役に立つんだ。
殺人事件が起こったとする。現場には犯人のものとおぼしき血が残っているわけだ。それを顕微鏡で見ると
ちっちゃい犯人が沢山いるのが見えると、これは便利だろ?DNA鑑定なんぞ必要ないな、もう。

武松 細胞って言葉を今日聞いたばかりのくせに、ボケのためならDNAって言葉使うのか!
まぁ、そうなったら確かに裁判とかも簡単だろうなー。俺の兄貴を殺したアイツらにも、 楽勝で法の裁きを受けさせることもできただろうに。

魯智深 よし、それじゃあ今日からヒトの細胞はミクロサイズの本人の形をしているという事にしよう!

武松 できるか!事実と違うだろ!研究の歴史を思いっきり逆走してんじゃねぇか!

魯智深 まぁ、その辺は目をつぶってもらうとして、な? 

武松 「な?」じゃねぇ!よし、次回は細胞の発見と研究の歴史について説明するぞ!

魯智深 おい、そういえば酒はどうした? 

武松 おあずけ!

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