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「細胞」から、ちょっと寄り道
講師:武松   生徒:魯智深


魯智深 そういえば武松、フックの法則って、なんだ?

武松 なんだよ、いきなり。本筋とは関係ないところに興味を持つんだな…
フックの法則は物理で登場するから、物理の講座で聞けよ。

魯智深 ふぅ〜ん…さてはオマエ、良く知らんな?

武松 アンタが理解できるかどうか心配なだけだ。

魯智深 本当か?最近は理科教員でも数学・物理離れが著しいと言うぞ?

武松 ま、待て和尚!なんでアンタが理科教員事情に詳しいんだ!

魯智深 いいから説明して見ろよ、フックの法則!わしでも理解できるように!
わしに理解できるように説明するには、相当きちんと理解しとらんといかんだろうなぁ?

武松 ったく、誰の入れ知恵なんだか…わかったよ。
フックの法則ってのは、バネに関する法則だ。バネは、さすがに知ってるよな?
バネの伸びは、それを引く力に比例するってことだ。

魯智深 わからーん!全然わからーん!
そんな教科書を棒読みしたような説明じゃ全く理解できーん!!

武松 …言うと思った…わかったよ。もうちょっとかみ砕いて表現してやるよ。
バネってのは強く引っ張ると長く伸びるってことだ。これで良いか?

魯智深 ……………はぁ?

武松 なんだよ、これでもわからんのかよ…じゃあなぁ…

魯智深 わからんのではない!そんなことが法則になるのか!
そりゃ引っ張りゃ伸びるだろ!バネなんだからよ!

武松 まぁな。

魯智深 それじゃフックは何か、バネ振り回しながら学者連中のところに行って
「大ニュース大ニュース!すごい発見しちゃったよ!」とか駆け込んでったのか?

武松 そんなキャラじゃなかったとは思うが、そうだろうよ。

魯智深 「見てろよ…このバネあるだろ?引っ張るじゃん。伸びるんだよ!」

武松 そこから説明する必要はねぇんじゃねぇのか、流石に?

魯智深 「これが重り一個つけるだろ、今2cm伸びたよな。ここからだからな、見せ場は。
もう一個重りつけるぞ…ほら見ろ!4cm伸びてるぞ!これ凄くない?凄くないか?」ってことを当時の
権威のある学会で臆面もなく発表したって事だよなぁ?

武松 なんか釈然としないが、言ってることは合ってるなぁ。

魯智深 まわりの学者連中も呆れ返りもせずに「すげぇよフック!超大発見じゃん!」
とかいって囃し立てたんだろ?「そうだこれ、フックの法則って名前にしようぜ!」とかいって!

武松 だからその学者のキャラ、確実におかしいっての!

魯智深 その場にいた誰かが「フーック!フゥーック!」ってフックコール始めて、
その日学会では、いつまでもフックコールが鳴りやまなかったのだろうなぁ…

武松 そんな学会聞いたことねぇよ!
…でもな和尚、それが科学的な思考ってことだ。普段の生活にも科学法則は満ち満ちている。
ただ、それを当然のこととして見過ごすか、面白いと思って興味を持つか、それが科学知識を
身につけることの出来るかどうかの分かれ目といえるだろうな。

魯智深 なるほど。当たり前のことを当たり前だと思わないことが重要なのだな。

武松 お、アンタにしては素直に話を聞いてるねぇ。良いことだ。それじゃあ話の続きを…

魯智深 それでは帰って酒にするか。酒を飲むのが当たり前だと思わなければ、
今までよりもうまい酒になるかもしれん。

武松 結局それか!

魯智深 だが武松、わしには意外と物理が性に合うかもしれんよ。何となく、そう思った。

武松 下手にアンタに物理なんか教えたら、悪酔いしたらすぐに「放物線運動ーっ!」
とか「α崩壊ーっ!」とか口走りながら色々ぶちこわしたあげく「案ずるな、エネルギー総和は保存されておる」
なんて言いそうでイヤなんだけど。

魯智深 ほぉ…手当たり次第にぶちこわすのに言い口実を得られるのか…

武松 やばっ、余計なこと言っちまった…ここでは生物の話しかしないからな!


 

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