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パフォーマーに聞く
〜 楊志編 〜


−−−今日は二竜山イリュージョンの看板役者の一人、楊志さんにお話を伺いたいと思います。 どうかよろしくおねがいします。

楊志 こちらこそ、よろしく。

−−−それではまず、二竜山以前の経歴についてお聞きしたいと思います。
楊志さんは、国営のアート集団に所属していたことがおありなんですよね?

楊志 今となってはあまり誇れんがな・・・あの頃の私は若く、理想に燃えていた。お堅いとか自由がないとか言われていた政府系グループでも、自分を見失わない限り、表現の自由は確保できると信じていたのだ。

−−−ここで当時の映像を御覧頂きましょう・・・これは「巨石転移」ですね。楊志さんの技術の粋を尽くした パフォーマンスでしたが、興行的には大失敗となりました。この後楊志さんは、しばらくその技を披露する 場所を失うわけですが・・・

楊志 干されて当然のミスをしたんだ、仕方ないさ。一時期は梁山泊入りも考えたんだが、 やはり「己の身を立てるのは政府系グループで」と思ってたんでな。色々なプロデューサーに頭を下げた・・・ 私の人生で、二番目に屈辱的な時期だったな。

−−−その苦労の果てに出会ったプロデューサーが、梁中書さんだったわけですね。

楊志 あの方は私に大変よくしてくれた・・・政府系のライヴというのは、完全な「プロデューサー 主導型」なのが一般的だが、私が脚本や演出に意見するのを許してくれたからな。あの方のプロジェクト・・・ あのときの私はそれが成功することを、信じて疑わなかったよ。
それが・・・その本番が、私の人生で一番屈辱的な瞬間になろうとは・・・

−−−突然の乱入者によりライヴは中断、セットも出演者もめちゃくちゃな事態になってしまうんですよねぇ・・・ その時の映像、出ますか?・・・ああ、これです。

楊志 ・・・今思えば、色々と悔やまれる点の多いライヴだった。キャスティングも慎重にするべきだったし、 ステージも、あまり熱を持つような構造にすべきではなかったんだ。だがまさか、ファンの差し入れに 毒物が混入されているなんて・・・今言っても、仕方のないことではあるが。

−−−この「大移動ライヴ」の後、楊志さんはフリーに転向するわけですが、それを決意した最大の理由は 何だったんでしょう?

楊志 現場と上との食い違いが激しすぎる事かな・・・結局お偉いさんは「結果」だけが欲しくて、 それをもたらす者だけが正しいという考えだからな。それに影響され、元々は「過程」を重視していた 現場の人間も、目的のために手段を選ばなくなっていったんだ。私は「大移動」失敗の後、そのことを とことん思い知らされた。
そして・・・私は悟ったんだ。自分が本当に欲しかったのは地位や名誉じゃない、成功も失敗も 共に分かち合える仲間だったんだという事を。

−−−その気持ちが天に通じたのか、楊志さんはすばらしい仲間に出会うことができました・・・ 魯智深和尚と、曹正さんです。

楊志 あの二人には、本当に感謝している・・・食い逃げを許してもらったという事だけじゃない、 彼らは私に再びパフォーマンスの場を、そして生きる勇気をくれたのだ。

−−−「怒りの大脱出」への参加、ですね。

楊志 ストーリーラインを見てもらうと解るが・・・あの脚本で行けば、私抜きでも成立しそうな ライヴだった。しかし曹正は私のための演出を考えてくれた。和尚が「陽」で私が「陰」となり、 ステージ上に二つの破壊のコントラストを描くという手法だ・・・曹正は少し話しただけで私のことを理解してくれた。 アーティストとして、人として。そして和尚も、こんな私を認め、必要としてくれたのだ・・・

−−−「怒りの大脱出」では、派手な破壊シーンを見せる和尚と、正確無比なテクニックを見せる 楊志さん、両者ともに評価を高めましたからねえ・・・
それ以降はメンバーこそ増えたものの、二竜山の単独ライヴは行われていません。これに関してはどうお考えですか?

楊志 私もよく把握できていないのだが、やはり興行的な事情が大きいらしい。うちは和尚も私も武松も政府系グループ出身だからな・・・お上の締め付けもあるんだろうよ。
むろん、彼らごときに抑圧されるような我々ではないが。

−−−そうですよね!いちファンとして、応援しています。
それでは最後に、今一番気になるアーティストをお聞かせください。

楊志 梁山泊だな。あそこには、私の「十万貫ライヴ」に乱入した奴らが居るからな・・・ 恨みがないと言えばウソになるが、別に復讐したいわけじゃない。ただ、今度は彼らと真っ向から やり合いたいんだ・・・私の、仲間と共に。

−−−梁山泊との、対決という形のジョイントですか・・・夢の対決ですねぇ。
今日はありがとうございました。

楊志 今度会うときはライヴということになるだろうな・・・期待していてくれ。


 

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