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凌振
〜 ドーン!ドカーン!ボーン! 〜


凌振と言う人物、彼は武芸に通じているというわけでも、兵法に精通しているというわけでも何でもありません。しかし戦争になると、 彼は欠くことのできない人物になります。
彼の特技・・・それは大砲でした。

水滸伝の世界で大砲を扱えるのは彼だけらしく、大砲が発射されるシーンでは必ず彼が登場します。
まぁ梁山泊の他の連中がやれ風向だの、敵との距離だの、発射角だのといちいち計算しないと弾の一発も撃てないような兵器と相性がいいはずもないのですが。

さて、凌振は元々軍人でした。物語に登場したときは、彼は主人公である梁山泊のグループを 制圧しようと挑んでくる官軍の一員でした。そして得意の砲術で、梁山泊に手痛い打撃を与えたのでした。

痛い目に遭わされた梁山泊陣営は、凌振の引き抜きを試みます。砲術の専門家としては超一流の 彼も、それ以外の戦術はからきしだったため、砲の使えない船団戦で割とあっさりと捕まってしまいます。
そして凌振は捕らえられた先で説得を受け、割とあっさりと裏切ります。その後の彼はその筒先を 政府軍に向けることになるのですが

大砲撃てれば、所属は何処でも良いのか!?

という感は拭えません。彼をして「兵器マニア」と評する向きのあるゆえんです。かくいう私も 「大砲撃てりゃオイラは幸せー!」みたいな呑気なサブタイトルを付けてしまっています。

「腕っぷし至上主義」の軍閥にあって一人「戦闘は計算である」という戦争哲学を持つ凌振。彼は その思想ゆえに、そして彼の理論が戦果を挙げてしまうがために、他の軍人に疎まれるようになり、 政府軍にとどまることに疑問を持つようになっていた・・・

なんて弁解もできるんですよ、実際!でも・・・やっぱりこの人って、「大砲大好き人間」だったと 言い切っちゃっても良いでしょう!なにせ物語の最後では、結局政府軍に復帰を果たしているんですから・・・ 言うまでもなく、火薬類に関するポストに収まって。

本当は「戦争の道具」としてしか評価してもらえず、様々な陣営の都合で人生をもてあそばれてる人なのに・・・ 悲壮感ってものが、ほとんど感じられないんですよねぇ。そこが魅力という人も、中には居ますけど。

 

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