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〜 夢見る学生達の着地点 〜
「聖手書生」の異名を持つ蕭譲は書道の達人で、当時の名文家の書いた字を
寸分違わず真似ることができるという能力を持っていました。
書生、という立場・・・まあ就職浪人ぐらいにとらえておいてください。就職試験は、いわゆる科挙という奴
ですね。蕭譲の方は、科挙を受けたのかどうかと言うのは解らない(梁山泊に拉致されたため)の
ですが、蒋敬は科挙に落ち(ていうか科挙に数学って無いですよね)、盗賊に身をやつしたという経歴が語られています。
蕭譲は自分の将来を梁山泊の手で閉ざされました。しかも彼が拉致されたのは公文書偽造の
片棒を担がせるためでした。
未来のレールを変えられた蕭譲と、未来のレールを自らはずしてしまった蒋敬・・・
対照的に見える両者のエピソードは、どちらも当時の世情を反映しているように思われます。
彼らは思いっきり地味なキャラなのですが、そんな彼らにも等身大のリアリティを持たせている辺りが、
水滸伝が人々の共感を呼ぶ魅力の一つなのかも知れません。
さて、こんな二人ですが、人がガンガン死んでいく後半でも生き残ります。そして彼らはそれぞれに
梁山泊入り以前よりも遥かに良い地位を与えられます。
ともあれ彼らは盗賊から政府軍になり、最後には平民に戻ります。
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